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3. インストーラをブートするために

3.1 コンソールコマンド

SPARCのブートコマンドには, PROM(Programmable Read Only Memory) のバージョンによって, 2つのタイプがあります. PROMのバージョンが2.0移行のものをニュースタイル, それ以前のものをオールドスタイルと呼びます. プロンプトが "ok" なら, ニュースタイルです.

オールドスタイルについては, sunhelp.orgにある The Sun Hardware Reference FAQ の "ROM monitor" を参照して下さい.

ニュースタイルの場合は, bootの後にfloppy, cdrom, netのいずれかを指定します.

3.2 フロッピーブート

ブートするフロッピーディスクを作成します. imagesディレクトリにディスクイメージがありますので, sun4c, sun4mの方はboot32.imgを, sun4uの方はboot64.imgを選んで下さい.

注意:
SMCC製のUltraSPARCでは, フロッピーディスクからブートできない不具合が, 報告されています.

選んだブートディスクをフロッピーディスクに書き込みます. Vine Linux等のRed Hat系ディストリビューションをお使いの方は,

# mount /mnt/cdrom
# dd if=/mnt/cdrom/images/boot32.img of=/dev/fd0
# dd if=/mnt/cdrom/images/boot64.img of=/dev/fd0

として下さい. 他のUNIX系OSをお使いの方は, マウントポイントやデバイス名を適当に読み変えて下さい.

WindowsのDOSプロンプトやMS-DOS上で作成するためのツールをdosutils ディレクトリに用意してあります. images ディレクトリに移動して, 以下のようにrawriteコマンドを実行して下さい.

G> ..\dosutils\rawrite.exe -n -f boot32.img -d a:
G> ..\dosutils\rawrite.exe -n -f boot64.img -d a:

仮にCD-ROMドライブをGドライブとしていますが, お手元の環境にあわせて適当に読み変えて下さい.

作成したフロッピーディスクを挿入して, ブートプロンプトから,

boot floppy

でフロッピーディスクからブートして下さい.

3.3 CD-ROMブート

CD-ROMからブートするのは簡単です. Vine Linux/SPARCのCD-ROMを挿入して, ブートプロンプトから,

boot cdrom

でCD-ROMからブートして下さい.

3.4 ネットワークブート

ネットワークからブートするためには, 少なくともインストールするコンピュータ以外に1台のコンピュータが必要です. インストールするSPARCはRARPで自分のIPアドレスを取得し, TFTP経由でカーネルとインストールプログラムのダウンロードを行います.

以下の説明では, インストールするSPARCのホスト名をvine, IPアドレスを192.168.0.2, MACアドレスを09:00:17:xx:yy:zzとして説明しますので, 適宜御自分の環境にあわせて読み変えて下さい. MACアドレスは起動時に表示されるので, きちんとメモをとっておいて下さい.

TFTPサーバーの設定

TFTPサーバーにVine Linuxを使用するならとても簡単です. RPMを使ってtftpパッケージをインストールして下さい. デフォルトでは, tftpは動作するように設定されてませんので, 次のようにinetd.confを変更します.

#tftp   dgram   udp     wait    root    /usr/sbin/tcpd  in.tftpd
↓
tftp   dgram   udp     wait    root    /usr/sbin/tcpd  in.tftpd /home/tftp

デフォルトでは, /tftpboot を使用するようになっていますが, 安全のため/home/tftpを使用するようにしましょう. inetd.confを修正しただけでは反映されませんので, 忘れずに,

# /etc/rc.d/init.d/inet reload

を実行して下さい. これを忘れるといつまでたってもTFTPサーバーが起動しません.

次にブートイメージを用意します. ブートイメージは, sun4c, sun4mの方はtftp32.imgを, sun4uの方はtftp64.imgを選んで下さい. 選んだブートイメージを/home/tftpにコピーします.

# mkdir /home/tftp
# cp /mnt/cdrom/images/tftp32.img /home/tftp
# cp /mnt/cdrom/images/tftp64.img /home/tftp

最後に, 用意したブートイメージに対してシンボリックリンクを張ります. 次のようにして下さい.

# cd /home/tftp
# ln -s tftp32.img C0A80002.SUN4C
# ln -s tftp32.img C0A80002.SUN4M
# ln -s tftp32.img C0A80002

ここで, C0A80002はインストールするSPARCのIPアドレスを16進数表記したものです. 御自分の環境にあわせて適宜変更して下さい. perlを使用できる環境の方は, 次のコマンドを打つことで, 16進数表記が得られます.

$ perl -e 'printf "%02x"x4 ."\n",192,168,0,2'
c0a80002

SUN4CとSUN4Mは御自分のアーキテクチャにあわせて下さい. sun4uの場合, アーキテクチャ名は必要ありません. 以上でTFTPサーバーの設定は終りです.

RARPの設定

ここでは, 応答するサーバーがLinuxであると前提して説明します. 他のOSだと, 異なることがありますので, マニュアルを参考にして設定して下さい.

まずは, /etc/hostsにインストールするSPARCのホスト名とIPアドレスを設定します. 次のようなエントリを/etc/hostsに加えて下さい.

192.168.0.2      vine

次にRARPテーブルにMACアドレスとIPアドレスの対応を登録します.

# rarp -s vine 09:00:17:xx:yy:zz

きちんと設定されたかどうか, 次のコマンドを使って調べましょう.

# rarp -a

ネットワークブートする

ブートプロンプトから,

boot net

でネットワークブートして下さい.


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